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療育手帳制度が変わる!? 2021年の最新の動向を確認!

ご覧いただきありがとうございます、うこうこです。

このブログでは、療育手帳についていくつかの記事にまとめてきました。

療育手帳の概要については↓

療育手帳の取得について【知っておくべき重要なポイントを解説】ご覧いただきありがとうございます、うこうこです。 障害のある方への福祉制度の大きな柱として、手帳制度があります。 その中でも...

おーくんが療育手帳を取得するまでの様子と結果については↓

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そして、療育手帳の制度には大きな問題点があり、制度の改正に向けての動きが出てきていることも記事にまとめてきました。

【2021年】療育手帳制度が変わる? 現在の問題点と今後の動向についてご覧いただきありがとうございます、うこうこです。 ダウン症のおーくんは2021年3月で1歳になるため、そろそろ療育手帳の取得に動こ...

そちらの記事では令和元年度の改正に向けての動きをまとめました。

その後も改正に向けての研究は継続されています。今回は、令和2年度の研究で分かったことをまとめていくことで、療育手帳制度の改正(統一)に向けての最新の動向を確認していきたいと思います。

療育手帳の概要や問題点と、改正に向けての動きについて解説した動画も作ってみました。今回の記事の内容にも触れていますので、読むより見たり聞いたりした方が良いという方は動画の方も参考にしてみてください。

療育手帳制度改正に向けた令和2年度の動きについて

厚生労働省の研究事業のひとつである障害者政策総合研究事業において、『療育手帳に係る統一的な判定基準の検討ならびに児童相談所等における適切な判定業務を推進させるための研究』が令和2年度に行われました。

この研究の結果についてまとめたものが厚生労働省の社会保障審議会障害者部会の資料で出されています。

今回の研究のポイントについて

今回の研究のポイントは、知的障害を判定するときに最適な検査は何なのか?について研究したということです。

その結果分かったことは、

  1. 知的能力だけでなく、日常生活の行動(適応行動)、健康面を含めた3つの観点からの評価が必要
  2. 知的障害を判定する最適な検査は、現在使用されている検査ではない。

ということが分かりました。

❷は衝撃的ですよね。どうして最適ではない検査が用いられているのかも含めて、詳細を解説していきます。

❶知的障害の評価には3つの観点が必要

知的能力の数値だけで知的障害かどうかを判定することは、世界的な診断基準においては適切ではありません。日常生活において適切な行動がどの程度できているのか、についても評価する必要があるというのが現在の世界基準になっています。

日本の文部科学省の知的障害の定義でも「知的機能の発達に明らかな遅れがあり、適応行動の困難性を伴う状態」とされています。

その流れに合うように、今回の研究では、知的能力、日常生活の行動、健康(病気等により日常生活に影響をを与えている場合があるため)の3つの観点を総合的に評価する必要があることが重要であると示されています。

特に、知的障害の判定には、知的能力と日常生活の行動を評価した点数を合わせたものが高い精度を示すことが分かりました。

❷知的障害を判定する最適な検査は、現在使用されている検査ではない

療育手帳の判定では、知的能力を測定するための検査と、日常生活の行動がどの程度できているかを測定するための検査2つの検査を受けることになります(日常生活行動の検査は実施していない判定機関も多いです)。

現在、療育手帳の判定に使用されている検査は、全国的にほぼ同じ検査が使用されています。

しかし、今回の研究では、“知的能力と日常生活の行動のどちらにおいても、現在用いられている検査とは異なる検査を用いた方が精度が高い”ことが分かったのです。今回、精度が高いと示された検査は、医療の領域では主要な検査として使われているもので、統計学に基づいたデータの処理が行われる検査のため客観性と専門性が高い検査です。

しかし、ここで大きな問題が!

今回の研究では、精度が高いとされた検査を実際に導入することについて、児童相談所などの判定機関にアンケート調査を行っています。その結果では、約半数の機関が懸念を示したのです。

それはなぜか?

それは、費用や時間のコストがかかるためです。

現在の療育手帳の判定に用いられている検査は、あまり時間がかからず、検査用紙などの費用も抑えた検査が主流となっています。それに対して、今回の研究で最適とされた検査は、検査時間と検査費用がよりかかるものであり、検査者の専門性も要求される検査のため、判定機関側は導入に懸念を示したのです。

そのため、研究結果のまとめでは

  • 実施が容易となる検査ツールの開発の検討する
  • 複数の知能検査を実施して、その有効性を検証する
  • 日本の実態を調査し、国際的な判定基準と照らし合わせた検討を行う

と、今回の研究の成果を生かした形で、様々な可能性を模索していく方向で検討を継続していくと述べられています。

心理師としての感想とまとめ

今回、判定の精度が高いとされた検査ですが、心理師としての仕事で実施することがあります。個人的な感想としては「信頼できる検査なので実施できれば良い」と思います。

ただ、現場としての導入の難しさも分かります。

精度の高い検査は、実施するにあたり1時間から1時間半は少なくとも時間を確保しておく必要があります。それが知的能力と日常生活行動についてと2つの検査を実施することになると、2時間から3時間はみておく必要があります。日常生活行動の検査は保護者への聞き取りをする形式なので、子どもの知的能力検査と親への聞き取り担当と分けて対応すれば時間のコストは減らせますが、人的コストがかかってきます。また、統計的な処理を行う関係で、検査を実施した後の採点と分析にも時間がかかります。

さらに、検査用紙のコストも変わってきます。日常生活行動の検査についてはほぼ同額ですが、知的能力を評価する検査では、現在主流の検査では1人につき約400円ですが、精度が高いとされた検査は約900円と2倍以上のコストがかかります。

その他、専門性の高い検査なので、判定する児童心理司の質の確保や技能習得にかかるコスト(研修費用など)などを考えると、「精度が高い検査だからといって、すんなり導入はできない」現場の声も分からなくはありません。判定機関の主である児童相談所は、虐待対応等で人手が足りない状況が続いていることもあり、現場への負担はかけられない現状を考慮すると、判定方法の工夫や新しい方向性を検討する必要があるようにも思います。

なかなか難しい問題ですが、療育手帳制度の改正に向けた研究は令和3年度も継続して行われていくことが明記されていますので、今後の展開にも注目していきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事を最後までご覧いただきありがとうございます。

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