ご覧いただきありがとうございます、うこうこです。
ダウン症おーくんですが、1歳になったタイミングで発達検査を受けていました!
前回同様、新版K式発達検査を受けました。この検査は日本の発達検査の中でもメジャーなものですので、発達が気になるお子さんは一度は受けることが多いと思います。そこで、発達検査を実施する心理師として、どのように結果を見て考えていくのかについて、おーくんの結果を元にまとめてみます。
発達検査の結果の見方に加えて、「普段の関わりに活かすためにこんなふうに考えるんだ」という感覚をお伝えできたらと思います。
1歳0ヶ月時の発達検査の結果!
1歳時点でどのくらいの発達レベルなのか?
7ヶ月時と今回の1歳時には、どちらも新版K式発達検査を受けました。
新版K式発達検査の概要と7ヶ月時の結果については以前の記事にまとめてありますのでそちらを参考にしてください。
今回の1歳時の結果は
この新版K式発達検査は3つの観点から発達の状況を見ることができます。各観点の意味をざっくりまとめると
- 姿勢ー運動 …体の運動の発達
- 認知ー適応 …目で見る力と手で操作する力の発達
- 言語ー社会 …ことばの力とやりとりの発達
これらを総合したものが「全領域」といい、全体的な発達レベルを表しています。
「発達年齢」が検査時点でどのくらいの段階まで達成してきているかを示しており、「発達指数」は検査時点の年齢に対して、どのぐらいの割合が達成されているかを示す指標となっています(詳しく知りたい方は”7ヶ月時の発達検査の結果”の記事を参考にしてみてください)。
おーくんの場合、『1歳0ヶ月時点では、全体的な発達(全領域)は9ヶ月の水準であり、年齢の7割くらい(DQ=74)の発達ペースである』ということになります。
7ヶ月時点との比較
7ヶ月時と比較してみると
7ヶ月 | 1歳 | |||
発達年齢 | 発達指数(DQ) | 発達年齢 | 発達指数(DQ) | |
体の発達 | 5ヶ月 | 80 | 10ヶ月 | 83 |
目と手の発達 | 6ヶ月 | 86 | 9ヶ月 | 71 |
ことばの発達 | 7ヶ月 | 98 | 8ヶ月 | 69 |
全体的な発達 | 6ヶ月 | 86 | 9ヶ月 | 74 |
このように比較することで5ヶ月の間に、どの程度の発達があったのかが分かります。
7ヶ月時では、発達上できることが少ない=評価する項目が少ないため、課題が1つできるかどうかで、発達指数に極端な影響が出やすいといった面もあります。そのため、今回の1歳時の結果の方が妥当性(正確に状態を測れている)があると考えて良いと思います。
おーくんの場合は、①体の発達が一番良いペースで伸びている、②全体的に発達ペースは年齢の7割くらいのペースで進んでいる、といえます。
結果から見える”今できること”とは?
発達検査を実施する目的は、その子の発達の状態を評価することだけではありません。「どんなことを意識して、どんなことを日常生活に取り入れていったら良いのか?」について、検査結果から考えていくことが発達検査の目的です。
発達検査では現在の発達の段階が分かります。そして、子どもの発達における伸び方の道筋は大方決まっています。そららの双方を合わせることで、今どのような関わりやサポートをしたら良いかが見えてきます。
体の発達
現在、体の発達は10ヶ月の段階にあることが分かりました。10ヶ月とは、つかまり立ちができるようになる段階です。そして11ヶ月になると、つたい歩きや坂を坂を這い登ることができるようになります。さらに、1歳の段階になると一人立ちができるようになり、片手での支え歩きができるようになります。
そのような発達の道筋を考えると、今はつたい歩きと這い上りの練習をしていくと良いことが見えてきます。
よって、検査結果が出てから、それらの練習を取り入れてみました。
つたい歩きで手に取れるように、興味ある玩具を離れて置いています。左右両方向に行けるように練習しています。
這い上りは、ジャングルジムの滑り台を登るのが良い練習になっています。自分から登らない場合は、まずは滑ることの楽しさを感じてもらい、滑る(目的)ために登る(手段)ことを覚えていけると良いです。
おーくんもそのような感じで、滑る楽しさと少し高いところに立つ楽しさを目的として、登ようになりました。
目と手の力の発達
目で見る力と手で操作する力の発達は9ヶ月の段階にあります。8ヶ月までの段階では、物と物の関連性が少しずつ分かり始め、箱から積み木を出す・入れ物から玩具を出すなどの”取り出す”動作ができるようになります。9ヶ月を過ぎると、物を使って物に働きかけるような動作(積み木やブロックを積もうとする等)ができるようになっていきます。代表的な動作では“入れる”動作(容器に積み木を入れる、コインを入れる等)があります。
積み木の上に積もうとしています。大人がお遊ぶ様子を見せたり、お手本を見せたりしながら、一緒に遊ぶ中で少しずつ見て覚えていことができます。
コイン入れはコインの向きを合わせる必要があるため、仕組みが理解できていることと形の認識がある程度できていることが必須となります。最初は向き等に影響されない、ボール入れ等から初め、少しずつ形を合わせていくものができるようになると良いです。○・△・□といった基礎的な形を目で見て理解するのは1歳超えてからの発達段階になりますので、まだ難しくても焦らなくて大丈夫です。
ことばの発達
ことばの力の発達は8ヶ月の段階にあります。9ヶ月を過ぎると、「どうぞ」「ちょうだい」「ダメ」などのちょっとした声がけがわかるようになり、声がけに応じた反応が取れるようになります。「どうぞ」→手を出して掴む、「ちょうだい」→持っているものを渡す、「ダメ」→動作を止めて言った人の顔を見る、といった感じの反応が見られるようになってきます。つまり、この段階ではやりとりの基礎が少しずつ身についていくことを目指していくことになります。
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こちらは上手くできていませんが、楽しみつつやりとりの意識をつけていくことがとても大切です。
まとめ
発達検査について、おーくんの結果から活かし方についてまとめてみました。発達道筋を知っていると検査結果を普段の関わりに活かせることが何となく伝わったかと思います。そして、多くの方が、
「発達のことを知っている専門職だからわかるんでしょ!!」と思われたかもしれません。いや〜〜本当にその通りです。
しかし、検査は結果を知るためのものではなく、『活かしてナンボ』ということを是非、感じていただきたかったのです。検査を実施する側が結果を知りたいから検査を行い、詳しい説明がないということが実際には割とあります(医療機関でもあります)。あと、数字だけ言われて「こんな感じの結果でしたよ」だけのこともあります。
そういう時は、「結果から今の発達段階は分かりました。その結果をもとに今後どのよに関わっていったら良いでしょうか?」
と一歩勇気を出して聞いてみることをお勧めします。子どもの発達を分かっている専門職(医師含む)であればきちんと答えてくれるはずです。
子どもと支える大人(保護者や先生、支援者など)に役に立つことが、発達検査の何よりも優先される目的です。検査を受けたことがこれからの子育てや支援に役立つようであって欲しいですね。
自分の子どもが検査を受ける側になって、考えたり気づくことがたくさんあり、改めて検査を実施する側としてもしっかりと心がけていきたいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。