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特別児童扶養手当制度の概要と問題点 〜必要な人が受給するためのポイントを解説〜

ご覧いただきありがとうございます、うこうこです。

今回は、特別児童扶養手当制度について解説します。

制度の概要についてはネットで検索すればたくさん出てきます。しかし、制度の問題点や申請する際のポイントなどはあまり知られていません。

それらを知っているかどうかで受給の可否が決まってくることもありますので、是非最後まで見ていただけたらと思います。

特別児童扶養手当とは?

特別児童扶養手当は、障害のある子を育てる父母(又は養育者)に対し支給される手当です。通称特児(とくじ)と言われています。以下、特児と記載します

申請の対象となるのは?

  • 20歳までの障害のある子を育てている父母(又は養育者)
  • 申請者(父母等)もしくはその配偶者や扶養義務者の前年の所得が一定額を超えないもの

「所得が一定を超えないもの」がどの程度なのかですが、厚生労働省のHPを見てみると

厚生労働省のHP 特別児童扶養手当についてより

扶養親族とは、ざっくりまとめると「配偶者以外の親族で、16歳以上で、年収が約103万円以下で、生計を統一としている(申請者が養っているとされる)もの」です。16歳未満の子どもは数に含みません。子どもが大学生で一人暮らしをしていて仕送りをしている場合は扶養親族にカウントします(アルバイト等で年間約103万以上の収入がある場合はNGです)。

また、申請者は父母又は養育者の中で一番収入が高い人を基準にします(収入の合計ではありません)。

例えば、扶養親族が0人とすると申請者の年収がおおよその目安として642万を越えなければ特児の支給対象となります。年収642万をどう考えるかですが(国税庁の『令和元年分 民間給与実態統計調査』によると、民間企業で働く正規職員の平均年収は503万)、大企業に勤めているとか個人でめちゃくちゃ稼いでいるという方でなければ、特児の受給対象になると考えられます。

特児の申請には、障害者手帳(身体、精神、療育など)を取得していなくても申請できます。市区町村の窓口、医療機関の予約窓口などで「手帳を所持していないと受け付けられない」と言われてしまうことが稀にあるようです。その際は、責任者に変わってもらうか、都道府県(指定都市)に確認をとってからその旨を伝える、等の対応をとると良いかもしれません。

支給される額は?

障害の程度により1級と2級に分かれます。それぞれ支給額が異なります。

  • 1級…52500円
  • 2級…34970円

(令和3年6月時点 物価の変動により上下します

1級と2級の障害認定基準については、神奈川県のHPが見やすくまとめられていますのでそちらを参考にしてみてください。”障害”だけでなく、幅広い”疾患”も対象となっています。ちなみに知的障害や発達障害については、「第7節 精神の障害」に含まれています。

また、和歌山県のHPには、医師が記載する診断書の様式がダウンロードできるようになっています。どのような項目を聴取し記載するのかを知っておくと、診察の際に答えやすくなると思いますので、確認しておくことをおすすめします。

いつまで支給される?

  • 子どもが20歳になるまで

原則として2年ごとに更新があります。居住する市区町村から、更新のための書類が送られてきます。同封される書類を医師に記入してもらう必要があります。更新の時期は期間が定められているため、診察予約で混み合う場合があります。また、更新の度に最近の知能(発達)検査結果の記載を推奨する市区町村もあるようですので、早めに動いた方が良いです。

更新時期の2ヶ月前くらいに更新のための書類が送付されてくることが多いですが、市区町村によっては遅れる場合もあります。そのため、事前にいつ頃に更新になるかは把握しておいた方が良いと思います。

また、障害者手帳を取得していると、更新時の医師の診断書を省略できる場合があります。全ての手帳所持者ではなく、重度の区分の方が対象となっていることが多いです。詳細は居住する自治体のHP等で確認してみてください。

手続きの方法は?

居住地の市区町村窓口で必要な書類を揃えて申請をします。窓口は福祉や子ども課が多いです。主な必要なものは

  • 申請書(窓口でもらえます)
  • 印鑑
  • 戸籍謄本
  • 診断書(所定の様式があります)
  • 口座の通帳
  • マイナンバーカード(申請者と対象児童の分)
  • 身分証

となっていることが多いですが、自治体によって多少違いがあるかもしれませんので窓口で確認していただくと良いと思います。

最終的な認定は各都道府県(または指定都市)が受給の可否を決定します。

おーくんが居住する都道府県では、ネット銀行を振り込み口座に指定することができました。ネット銀行は通帳がないので、キャッシュカードとそのコピーを持参することで申請できました。

特別児童扶養手当制度の問題点

この特別児童扶養手当制度には問題点とされていることがあります。知っているかどうかで受給の可否に関わるとても重要な点になります。

①自治体によって受給可否の判定に違いがある

特別児童扶養手当は国が定めた制度で、受給のために条件も細かく定められています。しかし、受給の認定は各都道府県が行うため、実際の運用は地方自治体に任されているといえます。そのため、居住している自治体によって受給可否の判定が変わってくることがあります。

知能指数の数値を重視し本人の日常生活の困難度が軽視されていたり、逆に、日常生活の困難度が強くても障害との関連性が十分に説明できないから認められない、といったことがあるようです。国が定めている基準に当てはまるかどうかは、判定する人がどう解釈するかに委ねられるところが大きいので、自治体ごとで差が生じてしまうのだと思います。

特児の障害認定基準には「知的障害の認定に当たっては、知能指数のみに着眼することなく、日常生活のさまざまな場面における援助の必要度を勘案して総合的に判断する。」と明確に記載されています。

知的障害の診断基準でも、以前は知能指数の数値の基準が明記されていましたが、最新の基準では知能指数の基準が明記されなくなっています(精神障害の診断と統計マニュアル DSM-Ⅴより)。以前は知能水準が高いことで受給が認定されなかった方でも、知的障害の枠組みが変わってきていることで受給が認定される場合があると聞くことがありますので、気になる方は再検討してみても良いかもしれません。

②医師の診断書が全てである

子ども本人の様子を直接見たり、親の話を直接聞いて判定する療育手帳判定とは異なり、医師の診断書で受給の可否を判定します。つまり、医師に書いてもらう診断書が全てであり、重要なのです。

よって、特児の診断書を書いてもらう予定の医師とは、普段から子どもの様子をしっかりと伝えておきながら共有しておくことが大切です。

また、特児を申請する際の診断書は書式が決まっています。そのため、聴取される観点について事前に整理しておくと良いです。特に、知的障害や発達障害の子どもの場合は、

  • “問題行動及び習癖”
  • “日常生活能力の程度”
  • “要注意度”
  • “医学的総合判定”

あたりの項目が重要になってきます。これらの項目は医師が記述する欄も設けられているため、養育者が具体的にどう伝えるかは重要になってきます。このとき、日常生活上の課題や不適応行動の頻度、周囲が受けている支障の度合いを正確に伝えることが重要です。

例えば…

・食事は固形のものは吐き出してしまい、慣れたものしか食べない。白飯以外は警戒して口につけない。水分は決まった果物をつぶしたものに水を加えるもの以外受け付けない。その状態が毎食続いている。たまに、その他の物が食べれるがそれでも2、3口程で拒否してしまう。ひどい時は上記のものでも全く食べない。メニューの選択も悩み、材料の仕込みに時間を取られ、食事場面を考えると憂鬱になる。(実際のおーくんの様子です)

・オムツからトイレットトレーニングが進まない。出そうという排泄前の訴え、出たという感覚の訴え、出た後の不快感の訴えが全て見られない。決めた時間にトイレに連れていく時間排泄を試しているが全く効果がない。

・眠そうだがなかなか寝付けず、グズって疲れて寝るような状態が毎日続いている。そのため、9時までには寝かせたいが10時過ぎになってしまう。ほぼ毎日夜泣きがあり2、3回は起こされるため、まとまった睡眠が取れず日中眠気に襲われたりイライラしてしまう。

発達障害で申請する場合は発達障害の特性との関連性が重要になってきますので、具体的に伝えたいところです(こだわりが強く予定が変わると常にパニックになり落ち着くまで30分ほどかかる、衝動性が強く刺激に反応して飛び出してしまい危険だが手を繋ぐのを拒否するため買い物等外出ができない、など)。

以上のようにポイントを抑えておくことで、正確かつ具体的に状態像を伝えやすくなります。

療育手帳の判定や診断書を作成するための診察では、様々な観点から子どもの様子などを聞かれますので、瞬時に思い出して応えることが難しいことがあります。「んーそうかなぁ、特に気にならないなぁ」「多分、そういうことはないかなぁ」とその場で思ってそのように答えても、終わった後で振り返ってみると「あのとき聞かれたのはこのことだったのかも!」と後から思い出したり気づいたりすることもあります。そうすると重要な情報が伝えられずに判定・診断されてしまうことになりますので、事前に整理しておくことが重要です。具体的な整理の仕方としては、紙やメモアプリ等にまとめておくのがお勧めです。話すのが苦手な方は、まとめたものを直接医師に見てもらうのも手だと思います。

受給の可否は医師の診断書が全てですので、診断書作成の診察にどう準備して望むかが大きなポイントです。(当然ですが、虚偽はいけません)

まとめ

特別児童扶養手当制度も、療育手帳制度と同様に、制度の仕組みだけでなく実際の事情を知っておくかどうかで判定の可否に大きく影響します。

障害のある子どもの支援の現場にいると、特児や手帳について「この子が取れていてこの子が取れていないのは何で?」と感じることがあります。

“人の状態を判断する”には判断する人の主観が入ります。個人的な感情が入ってしまうこともあります。数値は分かりやすいので知能指数は判断の際に大きな影響を与えることもあります。それらは専門職であっても起こりえます。

そのため「いかに正確かつ具体的に情報を伝えるか」が子どもを支える大人に求められます。特別児童扶養手当制度においては、その点がとても重要ですので、今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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