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ダウン症おーくんの子育てブログ
ダウン症関連

ダウン症とコロナウイルスの関連 大規模国際調査から分かったこと【2020.11月時】

ご覧いただきありがとうございます、うこうこです。

現在の2020年11月時点において、ダウン症とコロナウイルスの関連について研究の中で分かってきていることをまとめています。

前回の記事では、成人の死亡リスクについての研究をまとめてみました。

ダウン症とコロナウイルスの関連 成人の死亡リスクに関する研究から【2020.11月時】ご覧いただきありがとうございます、うこうこです。 この記事を書いている2020年11月現在、コロナウイルス第3波として、日々、感染...

今回は、もう一つの大規模な研究を見ていきたいと思います。

ダウン症の人におけるCOVID-19の影響に関する国際調査

今回、紹介する研究ですが、直訳すると

ダウン症の人におけるCOVID-19の影響に関する国際調査

という研究になります。

こちらはT21RSという、国際的なダウン症に関連する機関が行った研究ですので、注目です。

対象国:アメリカ、インド、スペイン、イギリス、フランス、イタリア、ドイツ、ブラジル等
方法:各国のダウン症協会を通じて呼びかけ、オンラインで調査を行った
期間:2020年4月9日〜2020年10月22日

Anke Hüls et al.,”An international survey on the impact of COVID-19 in individuals with Down syndrome,”November,05,2020.
論文はこちら

 

この研究に基づいたレポートが報告され、それが日本ダウン症協会のFacebookで紹介されています。日本語で要点を翻訳してくれているのでそちらも参考にしてください。

(2020/11/07) 昨夜のFacebookライブをご紹介します。
司会 Elizabeth…

公益財団法人日本ダウン症協会さんの投稿 2020年11月6日金曜日

 

研究から分かったこと

今回の研究では、コロナに感染したダウン症でない患者と、コロナに感染したダウン症である患者とを比較し、統計的に分析を行うことで、ダウン症の人に特有な症状や経過の様子などが分かってきました。その点を整理してみました。

※説明を分かりやすくするため、コロナに感染したダウン症の人を”ダウン症患者コロナに感染したダウン症でない患者を”一般患者と記載させていただきます。

コロナに感染したときの症状について

コロナの主要な症状である、発熱、咳、息切れが見られるのは、ダウン症患者と一般患者に共通していました

一般患者と比べて、ダウン症患者では関節や筋肉などの痛みや吐き気の症状が少なかったと報告されています。痛みや吐き気は、表面化する症状でないため、周囲の人からは分かりにくく、本人の訴えに頼るところが大きい症状ですが、ダウン症患者ではうまく表現できなかったという要因も考えられると、考察されていました。

一般患者と比べて、ダウン症患者で特有だったのは、意識の変容や混乱といった症状でした。今回の研究結果から学ぶ点としては、ダウン症の人の場合、コロナに限らず、意識に異常が出た場合は早めに受診することが重要ということです。ダウン症では、意識障害が起ここるてんかんが見られることがありますし、風邪やインフルエンザ等でも重篤化するいリスクが高いため。意識の変容や混乱といった症状はダウン症の人にとって危険を訴えるひとつのサインであるといえます。

コロナ感染した際の重症化について

重症化する要因については、ダウン症患者と一般患者で違いがありませんでした。

ダウン症患者と一般患者に関わらず、男性の人、肥満、糖尿病、先天性疾患がある人が重症化しやすいことが分かりました。また、死亡のリスク要因としては、男性の人、アルツハイマー(認知症)が指摘されました。

ダウン症であるからといって重症化しやすいわけではなく、一般の人と変わりないということです。しかし、ダウン症の人は、肥満、認知症、先天性心疾患の割合が一般の人よりも多いため、ダウン症でそれらの症状がある人はコロナに感染してしまったら症状の経過を慎重に見守る必要があります。

死亡リスクについて

前回の記事で紹介した研究から、『平均寿命に近いと死亡リスクが高くなる』とまとめましたが、今回の研究では、ダウン症患者では40歳以上、一般患者では60歳以上の年齢の人は死亡リスクが高くなることが指摘されました。

一方で、ダウン症患者の子どもや若い人の死亡リスクはとても低いことが分かりました。ダウン症患者の高齢者と比較すると死亡する可能性は90%少ない結果となっています。

ダウン症患者では、コロナ感染した際に、肺の合併症(肺炎、急性呼吸器症候群など)が致命傷になる可能性が高いことが、今回の研究で指摘されています。感染してしまった際には、”いかに肺の合併症を防ぐか”がダウン症患者にとっては重要な医療的な処置になります。

 

研究で分からなかった点と解釈の注意点

今回の研究では、分からなかった点が大きく2点あります。また、研究結果を解釈する際に注意する点もありますので、それらをまとめて見ました。

①ダウン症の人がコロナに感染しやすいかどうか、は分からない

まず、この研究は、ダウン症の人がコロナに感染した際に、どのような人が重症化、または死亡しやすいのか、について調査した研究です。よって、ダウン症の人がコロナに感染しやすいのか、ダウン症そのものが感染リスクになるのか、について調査したものではないという点には注意が必要です。

あくまで、重症化リスク、死亡リスクをみたもので、感染のリスクをみたものではないと言うことです。つまり、現時点では、ダウン症の人が感染しやすいかどうかはわからない、ということになります。この点は論文の考察部分でも指摘されています。

現時点(2020.11)で、ダウン症の人がコロナに感染しやすいかどうかの科学的な知見については、共通認識されたものはないと思います。ダウン症に限らず、どのような人がコロナに感染しやすいか、についても様々な研究が行われている段階かと思いますので、統一的な知見が共有できうるようになるにはまだ時間がかかると思われます。

②コロナに有効な治療法は分からない

誰もが関心があるテーマではありますが、今回の研究では、コロナに有効な治療法についての示唆は得られませんでした。今回の研究では、症状や重症化、死亡のリスクの違いを扱っているため、治療の効果の違いを扱ったわけではありません。しかし、このような大規模なサンプルを扱った研究から得られた示唆から次の研究に繋がっていくことは多いため、治療法の効果研究については今後の研究に期待したいところです。

③サンプルデータの割合について

コロナに感染したダウン症の患者1103人を対象とした大規模な研究となっています。データの分布を見てみると、インド(405人=全体の40)で、次に米国(163人=16%)、スペイン(155人=15%)、ブラジル(75人=7%)となっています。4割はインドの患者で占めているため、どの程度一般化できるものであるかは議論の余地があると思います。

国民全体における感染率・蔓延率や医療体制の違いが、入院やその後の適切な医療(そもそも何が適切かの共通見解が確立されていない)を受けられるかどうかに関わってきます。そのため、国の選別やサンプルの大きさに偏りがあるため、解釈は慎重にならざるは得ないと個人的には感じます。

しかし、現時点における国際的な視点での研究としては価値のあるものであることは間違いないと思います。

まとめ

まとめ

ダウン症患者において

  • コロナ感染による症状は一般患者と大きく違いは見られない。
  • 一般患者と比べて重症化リスクに違いはない。
  • 40歳以上の人は死亡リスクが高くなる。
  • 一方で、子どもや若い人は軽症が多く、死亡リスクも低い

※ダウン症がコロナにかかわやすいかどうかは不明
※有効な治療法は今後の研究に期待

正しい知識を理解した上で、感染予防に努め、みんなで乗り越えましょう!

最後までご覧いただきありがとうございました。

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