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発達検査とは?〜乳児編〜【公認心理師が解説】

ご覧いただきありがとうございます、うこうこです。

ダウン症のおーくんですが、先日、発達の検査を受けてきました

理学療法の先生から「やってみましょう」と言われ、新版K式という発達検査を受けてきました。

実はこの検査、うこうこにはとても馴染みの深い検査でした。うこうこは心理師として仕事をしているのですが、心理師の仕事の一つが発達検査の実施なのです。発達検査は心理師が実施することが多いですが、機関や施設によっては、一部の発達検査は理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が実施することもあります。

そこで今回は、発達の検査とはどのようなものなのかについて解説します。発達の検査といっても多くの種類があり、年齢で実施できるものも変わってきますので、今回は主に、1歳までの子(乳児)に実施することができる発達検査を中心に解説します。

発達検査とは?

まず、発達とは、身体や心が年齢と共に変化していくことを意味します。その変化には、ある程度決まった段階というものがあります。例えば、身体の発達では、生後3ヶ月で首が座る、1歳で自分で立つことができる、2歳で両足跳びができる、などです。

また、身体、ことば、目で見て理解する力、手を動かす・使う力、人とのやりとりの力等々、様々な発達の領域があります。それらにおいても、どのぐらいの年齢でどんなことができるようになるか、はある程度決まっています。

しかし、お子さんそれぞれに発達のペースは異なります。そのため、領域ごとにその子の発達のペースを明らかにするものが発達の検査になります。

発達検査の目的とは?

発達検査を実施する目的は、現在の発達の様子について評価することによって、子どもそれぞれの状態に応じた関わり方や接し方といった支援の方法を明らかにすることです。

平均的な発達の基準から遅れているかだけを判定するのではなく、その結果をその子の発達にどのように活かしていくかを提案していくことが発達検査の重要な目的です。『今できていることをどのように伸ばしていくか』『できていないことを支援するにはどのような関わりや工夫ができるか』について結果から考えていくことになります。

発達検査の結果から、その子の診断名が決まるわけではありません。知的障害の診断基準も、単に発達の程度が遅れていることだけを見て診断される状況とは変わってきています。対人関係や日常生活の様子などを総合的に見て判断していきます。その際、発達検査の結果はひとつの指標として参考にしていきます。

発達検査はどこで受けることができるのか?

発達検査は主に、医療機関、教育機関、子育て支援センターなどの相談機関などで受けることができます。最近では、市区町村で心理師(士)を雇用しているところも増えているため、自治体に相談する中で発達検査を受けたというケースもあります。

1歳までの子に実施することができる発達検査について

主に発達検査には大きく2つの種類があります。

  1. 子どもに課題を実施してもらう検査
  2. 保護者など子どもに関わる大人に聞き取りや回答をしてもらう検査

それぞれについてどのような検査があるのか代表的なものを紹介します。検査によって評価できる領域などが異なります。

子どもに課題を実施してもらう検査

子どもに実際に道具を使って操作してもらったり、やりとりをしてもらいながら評価していきます。実施に時間がかかるため、負担もかかりますが、発達を客観的に評価できるのが良い点になります。代表的なものは以下の通りです。()内は専門家がよく使う略称です。

  • 親版K式発達検査(K式)
  • 遠城寺式乳幼児分析的発達検査(遠城寺)

があり、この2つの検査は日本で作成された検査です。個人的な印象としては、K式が一番よく使われている検査だと思います。

海外で作成されたものを日本でも使用できるようにした検査では、改訂日本版デンバー式発達スクリーニング検査』(JDDST―R )やベイリー乳幼児発達検査などがあります。

保護者への聞き取りや記載をしてもらい評価する検査

こちらは、冊子内の質問項目に答えて記載していく検査になります。子どもの状態を直接見るものではない間接的な検査になります。そのため、評価する保護者の理解や感情等が影響し、評価に偏りが生じやすい特徴があります。代表的なものは以下の通りです。

  • KIDS乳幼児発達スケール(キッズ)
  • 津守式発達質問紙(津守)

があります。

1歳までの子に発達の検査を実施するケースは?

今回紹介した発達検査は1歳以下の子にも実施できる検査ですが、実際に、1歳以下の子に発達検査を実施することは多くはありません。

1歳6ヶ月や3歳の乳幼児検診で発達の遅れが考えらたり、保育園や幼稚園などの集団生活に入ってから上手く適応できなかったりすることで、相談機関につながり発達の検査を受けるようになる流れが多いからです。また、日常生活の様子から相談につながる場合でも、歩かない・言葉がでないという状況に不安を感じるようになるのも多くは1歳を超えてからになります。

以上から、1歳以下で発達検査を受けることになるのは、既に発達の遅れが考えられる障害や疾患等の診断を受けている子どもです。ここにダウン症なども含まれます。

まとめ

発達検査について、重要な点として2つの観点にまとめてみました。

❶発達検査の結果について

発達検査を実施する上で何よりも重要なことは、その結果を活かすことです。

単に、「今ことばは○ヶ月ぐらいですね〜」と評価だけの検査になってしまっている場合や、結果をしっかり説明されず結果の記載が簡単にまとめられた紙を渡されて終わりという場合も少なくありません。療育手帳交付判定のためなど、一部目的がある中での評価的使用はあるとはいえ、医療機関や相談機関では、検査結果をその子の今後の発達に役立てていくことが実施するものの責任になります。

よって、発達の検査を受けられた方は、”今回の結果からこれからどのように考え、関わっていったら良いか”について共有されているかを確認することをお勧めします。

❷発達検査を受ける時の親の気持ちについて

子どもの発達の状況が具体的な数値(ことば○ヶ月、手の操作の力△ヶ月など)にでてくるのが発達検査です。受ける保護者の立場としては、『是非、知りたい』という方もいれば、『知りたいけど、悪かったらどうしよう』と不安を抱えながら受けられる方や、『知りたくない』と思われる方もいると思います。親として抱える気持ちに間違いはありません。不安になるのも拒否したいと思われるのも親としては当然な気持ちです。もし、伝えられるのであれば支援者にその気持ちを伝えてみてください。きちんと受け止めて聞いてくれるか、検査実施について具体的な説明があるかどうか、その他聞きたことに答えてもらえるか、を確認してみてください。そうすることで気持ちにや判断に関する整理ができるかもしれません。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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