うこうこまーく!
ダウン症おーくんの子育てブログ
ダウン症関連

【オススメの最新書籍】単なるダウン症の解説書ではない!ダウン症のある人の本質を理解し向き合うための本だ!

ご覧いただきありがとうございます、うこうこです。

今回は、最近出版されたダウン症の本について紹介したいと思います。

今回紹介する本は、単なるダウン症についての解説書ではありません。

本の導入部分を一部抜粋します。

どうやら人は「違い」のほうに目がいくようです。しかし違いだけに目をやったら、違いだけが育つので、人間から離れた「障がい児」になってしまうでしょう。

この本で基本としている言葉を二つあげます。これらの言葉を念頭において、いつも思い出してください。この基本さえ身につけていれば、あとはご自分らしく考えればいいのです。

一、私たちと同じ人間、一部にダウン症があるだけ。だから家庭の中心ではなく一員。
二、家族はサポーター(応援団)、選手は本人。サポーターは選手の代わりになれない。

“はじめに P5〜7”より

この部分を読んで、共感・関心・疑問などの気持ちが動かされた方は一度読んでみることをお勧めします。

ダウン症に対しての自分なりの向き合い方が再発見できる内容になっていると思います。

ダウン症のある人の本質を理解するための本

今回紹介する本は、2021年8月に出版された、

ダウン症神話から自由になれば子育てをもっと楽しめるという本です。

 

著者の長谷川知子(はせがわともこ)先生は、心身障害児総合医療療育センター等の遺伝外来で臨床遺伝専門医として臨床をされながら、様々な大学で臨床遺伝を教えられています。

この本をオススメする理由は、単なる「ダウン症」についての解説書ではないからです。多くのダウン症に関する書籍は、健常の人とダウン症のある人の「違い」をダウン症の特徴として解説されているものが多いです(それも勿論重要です)。

しかし、この本は、健常な人とダウン症のある人の「共通の部分」について主眼をおいて解説されています。「ダウン症のある人は○○だよね」とあたかもダウン症の特徴であると言われているものの中には多くの誤解があります。その誤解について、多くの臨床経験と知識に基づいて解説された書籍となっています。

長谷川先生がこの著書にかける思いが以下のようにまとめられています。

「ダウン症の子を育てるのは大変」「ダウン症の子は体が弱い」「ダウン症の人は不器用」「ダウン症の人は老化が非常に早い」「ダウン症の人は退行することが多い」……そんなふうに言われることがあります。
でも,ほんとうはそんなことはありません。それは科学的な根拠のない思いこみ(=ダウン症神話)にすぎないのです。
この本は,ダウン症神話を信じて子育ての自信をなくしたり,悩んだりしている親ごさんや,彼らを支えたい人たちに向けて書かれています。ダウン症についての正しい知識を知り,「障がい」や「違い」よりも私たちと「同じ」ところに目を向ければ,もっと自信をもって子育てを楽しむことができるでしょう。
そして,こうした思いこみや偏見をなくすことは,私たちの誰もが差別も排除もされずありのままに暮らせるインクルージョン社会を実現する第一歩ともなるのです。
約50年にわたり1万人近いダウン症のある人たちと向きあってきた臨床遺伝専門医が伝えたい,ほんとうのダウン症のすがた。

遠見書房HPより

ダウン症以外の人との違いだけでなく、共通の部分についても理解することが、ダウン症の本質を理解することになり、前向きな子育てにつながるという思いのもとに書かれた著書であることがよく分かります。

“ダウン症の子どもへの子育て”があるわけではない

また、著書の中で長谷川先生は「普通の面を普通に育てることが大切」と述べられています。

ダウン症のある人の子育てと考えると、それは何か特別な子育てをしないといけないような思いになられた方は多いのではないかと思います。僕もそうでしたし、この本を読むことですっきりとした整理ができたように感じました。

ダウン症の子の発達は、発達の流れや方向性は健常の子と大きく変わりません。ゆっくりなペースで進むことが多いだけです。

このことは、おーくんの発達の様子を1ヶ月ごとに記事にまとめてきた中で、とてもよく実感したことです。発達の段階や進み方も健常の子と変わりはありません。筋緊張や筋力の弱さがあるというダウン症特有の”体質”があるため、発達段階に合わせて、体の使い方の練習や筋トレは行ってきましたが、ダウン症のある子への特有な子育てをしてきたわけではありません。

この著書のテーマであるように、子どもの発達の特徴や子育てへの姿勢など、健常の人と共通する部分を知り学ぶことが、ダウン症の子の子育てにも大きく役に立つことを実感しています。

まとめ

子ども(人)はそれぞれが個性的であり、同じ人は2人とはいません。

自分の子どもと他の子どもとの違いを見つけようとするといくらでも見つかります。「ダウン症」というメガネをかけて違いを見つけようとすると、もっとたくさんの違いが見つかりると思います。

ただ、その違いは、ダウン症だからなのでしょうか?それともその子の個性で発達的には一般的なことなのでしょうか?

そのような疑問に対しての、必要な知識と向き合うための情報を提供してくれるのが、“ダウン症神話から自由になれば子育てをもっと楽しめる”なのではないかと感じています。

ダウン症のある子供を育てている親御さんだけでなく、支援者を含めたダウン症に関係する多くの人に読んでもらいたい本です。

 

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