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子どもと手をつないで歩く
簡単なようで実はとても難しい子どもたちがいます。
- 手とつないでも急に手を離して走り出してしまう
- 危険なので何度も注意をするが治らない
- しまいには手とつなぐことを拒否するようになってしまった
発達障がいや知的障がいの子どもの中には、上記のことで悩んでいる親御さんがたくさんおられます。こじれてしまうと、買い物や旅行などの外出が困難になってしまい、日常生活に制限がかかってしまう方もいます。
そのため、障がいのある子どもがいる親御さんには、手つなぎの『コツ』を理解しておくことがとても重要です。
そんな手つなぎの『コツ』について紹介したいと思います。
最後に、参考にしたオススメの書籍についても紹介していますのでそちらも読んでいただけたら嬉しいです。
手をつないで歩けるようになるための『コツ』とは?
具体的な『コツ』として大きく2つのポイントがあります。
コツ① 「100%逃げられない」状況を作る
1つ目のポイントは、
「手をつなぐ」と決めたら、どんなに抵抗されても手を離してはいけません。1度の失敗も許してはいけません。
です。
「えっ、何言ってんの?」とツッコまれそうですが、これマジです!
このポイントは、発達障がいや知的障がいの子への対応として活用されている行動分析(応用行動分析やABAと言われることもあります)という心理学の知見から裏付けられています。
「親の手をふりほどくことができて、その後、自由に好きなところに行けた!」という成功体験を1度でもしてしまうと、手をふりほどくという行動が強化されてしまい、次もその行動をとるようになります。そして、「ふりほどくとその先にいいことがある」という成功体験を積み重ねるほど、手をつないでもふりほどく行動はよりエスカレートしていきます。
そのため、手をつないだら「1回の脱走も許さない」意識で対応することが重要です。
コツ② 適切な手のつなぎ方をする
2つ目のポイントは、
正しい手のつなぎ方をする
です。
逃げられやすい親御さんの手のつなぎ方を聞いてみると、あまり良くない手のつなぎ方をしていることが多いです。これから紹介する手のつなぎ方は、力をあまり必要としないにも関わらず、しっかりと拘束できる手つなぎの方法になります。
まず、子どもの手の握る場所ですが、子どもの手のひらの中心です。
子どもの手のひらの中心をしっかりと握るこむようにつかみます。
そのまま手をおろすと下の写真のようになり、若干大人が先に歩く立ち位置になり、子どもを誘導しやすくなります。
もし子どもがふりほどこうとしたときは、手首を少しだけ内側に曲げて、手を自分の足にピタッとくっつけるようにします。
この手つなぎだと、強く握らなくても大丈夫なので子どもに「痛い」思いをさせずに安定して手つなぎを保てます。
手をつなぐときは常にこの方法でつなぐようにします。
いつから意識して取り組むべき?
まず、これから紹介する『コツ』は、子どもが歩き始めたらすぐに意識して取り組んでください。
説明しましたように、1度の脱走の経験がその後の脱走しようとする行動を強化しますので、「脱走するのは完全に無理」だと子どもがあきらめるようにすることが重要です。それは、手つなぎを始めた段階でしっかりと意識して対応する必要があるということになります。
そして、子どもが手をつなぐ可能性がある大人には、全ての人に手のつなぎ方と対応のポイントを伝えて、絶対に逃げ出さないようにしてもらうことも大切です。
逃げることを覚えてしまった子への対応の注意点
すでに、手をつなぐことから逃げることを覚えてしまった子でも、時間はかかりますが行動を修正していくことは可能です。
ここでもポイントは、「100%逃げられないようにすること」です。
しかし、子どもは脱走することを覚えてしまっているので、最初はめちゃくちゃ抵抗します。脱走の経験が多ければ多いほど、抵抗する強さは強くなりますし、時間も必要になります。
それでも、”脱走する→何かメリットがある→より脱走する”という行動のパターンが起こらないように徹底していくことで「危ないから手をつなごうね」と粘り強く取り組むことで、抵抗することは徐々に落ち着いていきます。
よくある疑問に対して
手つなぎについてよく聞かれるのは
手をつなぐのではなくて手首をつかむのはどうか?
手をつなぐとかんしゃくを起こしてどうにもならないんですが?
練習の例を紹介
最後に、手をつなぐ練習をするときの具体的な例を考えてみます。
- 最初は短い距離の方が子どもも取り組みやすいため、駐車場からお店に入るまで、駐車場から保育園の玄関までといったような場面を選ぶようにします。
- 手をつなぐ場面を決めたら、「ここは危ないから、○○までは手をつなごうね」と事前予告して、手をつなぎます。
- そして、絶対に逃げられないように手をつないで歩きます。途中地べたに座り込んだり、ぐずったりすることもあるかも知れませんが、穏やかに「頑張ろう」「あそこに○○あるよ!」と励まして根気強くチャレンジしてください。ポイントは怒ったり、怖い顔をしたりしないことです。恐怖で子どもの行動をコントロールしないようにします。
- 目的地まで着いたら、子どもの顔を見て「手とつないで歩けてえらかったよ」「ありがとう」とほめます。
このような流れで練習し、慣れてきたら少しずつ距離を伸ばしていきます。
参考にした書籍はコチラ
今回紹介した手つなぎの方法について、参考にした書籍はコチラです↓
臨床心理士の奥田先生は日本を代表する行動分析の著名な先生です。コチラの書籍は、子どもへの対応で多くの親御さんが困る場面ごとに、奥田先生がどのように対応したら良いかをレクチャーする内容になっていて、一般の親御さんにも読みやすく書かれています。行動分析の考え方は子育てにとても役立ちますのでオススメです!
もし気になる方がいれば一度手に取って読んでみてください。