ご覧いただきありがとうございます、うこうこです。
この『うこうこまーく』のブログを始めて1年ほど経ちますが、多く読まれている記事のトップ2は、“ダウン症の赤ちゃんの特徴”に関する記事です。
ダウン症おーくんの特徴についてまとめたもの↓
アメリカの専門機関や医学的な情報をまとめたもの↓
ダウン症と診断されたり、疑いがあると感じたときに、多くの方が最初に調べる情報となるからだと思います。
僕たちも、おーくんがダウン症ではないかと感じてからは、たくさんの方のブログや情報サイトを読ませていただきました。その中で、ダウン症の赤ちゃんの特徴と言っても、個人差があることを感じました。
そこで、今回は、ダウン症の赤ちゃん81人を十数年後まで追跡した大規模かつ貴重な研究から、ダウン症の赤ちゃんに共通してみられる特徴について、学術的な研究ではどのようなことが分かっているのか?についてみていきます。
研究から分かった”ダウン症の赤ちゃんの特徴”とは?
今回扱う研究論文はこちら
Petchesi, C. D., Ciavoi, G., Feier, F., Iuhas, O. A., Kozma, K., Jurca, C., & Bembea, M. (2021). DOWN SYNDROME–LONGITUDINAL STUDY OF CLINICAL EVOLUTION AND PSYCHO-SOCIAL IMPLICATIONS. Romanian JouRnal of PediatRics, 70(2), 135.
日本語に訳すと“ダウン症-臨床経過と精神的・社会的影響に関する縦断的研究”となります。
ルーマニアのダウン症81人を10数年に渡って追跡調査し、ダウン症の特徴やその経過について学術的に研究した論文になります。
81人のダウン症に共通した赤ちゃん時の特徴
研究対象となったほぼ全ての人(90%〜100%)に見られた、赤ちゃんのときのダウン症の特徴が以下の通りです。
全体的に平べったい顔つき
鼻の付け根が平べったい
吊り目である
→内眼角贅皮について、永田小耳症形成外科クリニック・美容外科さんのHPが写真入りで分かりやすく説明されています
耳が小さく変形している(折れ耳等)
筋緊張が弱い
関節が緩い
手と指が短い
手の小指が短く内側に曲がっている
猿線がある
足指の第1趾と第2趾の間が開いている
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以上が、81人のダウン症のほぼ全てに見られた赤ちゃん時の特徴です。
よく言われているその他の特徴はどうなのか?
ダウン症赤ちゃんの特徴として、「舌が大きいため、下を突き出したり口が塞がらず常に開いていたりする」ということもよく言われます。今回の研究では、その特徴については全体の7割程には見られたとの結果になっていました。7割をどう理解するかですが、共通の特徴とまではいえないと思われます。
また、「二重でぱっちりした目」もよくダウン症赤ちゃんの特徴と言われますが、そのような特徴は共通した特徴としては見られませんでした。
さらに、「首の後ろの皮膚にたるみがある」についても共通の特徴としては見られませんでした。
以上より、一般的に言われている特徴と、学術的な研究結果では差異が見られる点もありました。それらの特徴については、過度に重要視しすぎず、慎重に検討する必要があります。
素人だと判断が難しい!分かりやすい注目ポイントについて
共通する特徴が分かっても素人では判断する難しさがあります。
顔つきについては、ダウン症特徴が顕著に出ているのか、元々の赤ちゃんの顔つきであるのか、の判断は難しいです。また、”筋緊張が弱く、抱っこしても力が入らずふにゃふにゃしている””関節が緩い“といった特徴についても、正常な状態の赤ちゃんと比較することができないと分かりにくいです。
つまり、顔つきや筋緊張、関節の様子からダウン症の特徴が出ていると判断するのは、色々な赤ちゃんを見ていて知識と経験を持ちながら比較することができる専門家でないと難しいです。
逆に、以下の特徴は素人が見ても分かりやすいです
- 耳が小さく変形(折れ耳など)している
- 手や指の小ささ(関節の線が2つあるかなど)
- 小指が短く内側に曲がっている
- 猿線がある
これらは素人が見ても判断しやすいため、僕たち素人でも、おーくんは”猿線がある”以外は当てはまっていることが分かりました。顔つきからは「ダウン症っぽくも見えるし、そうでなくも見える」と、遺伝子検査でダウン症と診断されるまではっきりとは分からない感じでした。ダウン症の特徴としての顔つきの様子は、人によって、濃く出る場合と薄めな場合とがあり、個人差が大きい特徴であるといえます。
まとめ
ダウン症の赤ちゃんの特徴について、インターネット上で検索すればたくさんの情報を手に入れることができます。その多くは、個人の事例に関するものが多いと思います。
今回は、別の観点として、科学的なエビデンスに基づく学術的な研究結果から分かっていることをまとめました。海外のデータではありますが、アメリカのNDSS(全米ダウン症協会)がまとめているダウン症の赤ちゃんの特徴とほぼ一致するため、妥当性の高い結果であるといえます。
多くの方が調べる機会の多い”ダウン症の赤ちゃんの特徴”について、最新で正確な情報が知りたいという方に少しでも参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。