うこうこまーく!
ダウン症おーくんの子育てブログ
ダウン症関連

ダウン症児の通院やリハビリに「看護休暇」は取得できるのか?

ご覧いただきありがとうございます、うこうこです。

ダウン症は合併症が多く、発達がゆっくりです。

そのため、生まれてすぐに色々な科を継続的に受診する必要がある子が多く、また、リハビリや療育にも定期的に通っている子がほとんどだと思います。

僕たち夫婦のように共働きをしていると、どちらかが休みをとって連れて行くことになるのですが、みなさんは休みをどのように取っていますか?

僕自身は、最近まで「有給」を使って、通院(診察やリハビリ)や通園(児童発達の療育)に連れて行っていました。

そして、子どもの体調不良のときも「有給」を使っていたので、毎年、有給の残り日数はギリギリな感じでした。「早く更新のタイミングになってくれー」と願いつつ、更新間近になると自分も含めて体調崩さないかヒヤヒヤしながらの日々でした。

そんなある日、職場の人と「有給がなくてヤバい」といった話をしていたとき、

「看護休暇使えばよくね?」

と言われ、

「それ取れるんですか?(実はよく分かっていないんですわ…なんて言えないけど)」

と、看護休暇の制度について教えてもらったことがありました。

その後、自分でも制度について調べてみましたが、

「もっと早く知っておけば!」

と大変後悔しました!

ので、少しでも誰かの役に立てればと思い調べたことをまとめてみます。

押さえておきたい看護休暇の重要なポイント

子の看護休暇については、“育児・介護休業法”という国の法律で定められいます。

看護休暇とは、子どもが負傷したり病気になったときの対応やそれらを予防するための対応にために、有給休暇とは別に取得できる休暇のことです。健診や予防接種なども対象になります。1日単位でなくても時間単位でも取得できます。

2021年の改正以後、国は積極的な利用を推奨しています。

利用にあたって、理解しておきたいポイントは以下の2つです。

①国の法律として認められているため、職場で勝手な解釈で制限をしてはいけない

②対象となる子どもの年齢、日数、無給か有給かは職場の就業規則によって変わる

①国の法律として認められているため、職場で勝手な解釈で制限をしてはいけない

①について、職場によっては理解の不足があったり独自の解釈をしていたりして、取得させてもらえないことがあるようですが、国の法律で定められているので適切な利用の制限を行ってはいけません(適用範囲や条件を拡充する等で取得しやすくすることは就業規則で定められていればOK)。

例えば、「うちの職場は検診や予防接種には看護休暇は取得できません」というのはNGで、健診や予防接種にも利用できると定められているので、職場ごとに看護休暇の対象を独自解釈したり制限したりしてはいけません。

また、ネットの口コミでは「それは看護じゃないでしょ」「それは対象にならない」と書かれていることがありますが、結構間違っていたりしますのでそこだけを見て判断しないようにした方が良いです。

もし、分からないことや職場の判断に疑問がある場合は、各都道府県の労働局雇用均等室に問い合わせて確認することをおすすめします。

②対象となる子どもの年齢、日数、無給か有給かは職場の就業規則によって変わる

②について、法律の定めでは、就学前までの子どもが対象で、1人につき5日まで、2人以上の場合は上限10日まで取得可能となっています。前述の通りその規定内容を制限してはいけませんが、利用の範囲を拡大するのは可能です。

僕の職場の就業規則を調べてみると、看護休暇の対象となるこの年齢は小学6年生まで(法律的には小学校就学前まで)、子1人につき5日までで2人以上は上限10日まで(法律と同じ)でした。

実はこの看護休暇の制度は、取得して休んだ分は有給なのか無休なのかの規定がありません。そのため、各会社の裁量に委ねられています。全くの無休扱いのところもあれば、1日取得しても有給扱いのところもあります。

よって、職場の就業規則の確認が必要です。

僕の職場では、就業規則に「無給or有給」の記載がなかったので担当の職員に確認したら『1日のうち3時間までなら有給扱いにする』という決まりになっていることが分かりました(就業規則に記載するか周知してよ〜と思いましたが)

もっと早く情報をキャッチして調べておけば良かったなぁと後悔していますが、「3時間でも看護休暇が取れる!」だけでもありがたく利用していきたいと思います。

ただ、ここで疑問が出てきました!

ダウン症の子の定期的な通院やリハビリには看護休暇は使えるのか??

ダウン症児の通院・リハビリ・療育の場合は?

ダウン症のお子さんのほとんどが定期通院していると思います。身長や体重の測定、血液検査、視機能の検査などなど、多種多様な科にお世話になっていることと思います。

そして、理学療法とか作業療法とかリハビリを受けている子も多いと思います。また、障害児通所支援の児童発達支援で療育に通っている子もいます。

それらは看護休暇の対象になるのでしょうか??

法律の文書や関連資料を読んでもよく分からないので、居住する都道府県の労働局雇用均等室に問い合わせて聞いてみました!

その結果!

  • 定期通院 ⇨ ○
  • リハビリ ⇨ ○
  • 児童発達の療育 ⇨ △

との回答でした。

回答していただいた具体的な内容を以下にまとめてみます。

  • 「ダウン症という疾病による必要な通院であり、健康状態の診察や病気の予防に必要なもの」であるため、看護休暇の対象になる。
  • 「医師の指示の元に行われているもの」については看護休暇の対象になるため、医療におけるリハビリは医師の指示によって行われているので看護休暇の対象になる。
  • 児童発達支援センターや児童発達支援事業所の利用にあたっては、医師が必要であると認めた意見書の提出による受給者証の発行が条件であるため、医師の指示の元に当たるとの解釈ができなくもない。しかし、明確な指示の元に行なわれているともいえないので、職場の担当者との相談が必要だと思われる。ただし、子の看護については幅広く積極的な利用を推奨しているため、是非、その点を理解した上での判断をお願いしたい。

つまり、

ダウン症の疾病に関わる通院やリハビリは看護休暇の対象になります!

国の法律なので都道府県で変わることはないはずです。

まとめ

ダウン症に関する通院やリハビリにおいて看護休暇は取得できる。

ということでしたが、今回の記事の内容についてはネット上ではなかなか情報がなく、労働局雇用均等室の方に何度か問い合わせさせていただきました。

その際、とても丁寧にお答えいただき、職場の理解が不足していることが多いので話し合い等で折り合いがつかない場合は「職場の担当者から直接均等室へ連絡するよう伝えてください」と言ってもらえて大変心強かったです。

看護休暇の制度は子育てに必要な重要な制度であるとは思いますが、課題は、

  • 職種によっては取得しにくい場合があり、そうでなくても取得しにくい空気感がある
  • 無給or有給は職場の裁量による

ことだと思います。

「子どもが体調不良になったので休みます」って忙しい業務の中で他人に迷惑をかけてしまうことを考えると合法と分かっていても堂々と言いにくい雰囲気がありますよね。職種によっては取得したくても取れないということもあると思います。

また、現状、「看護休暇は無給」の職場が大半です。厚生労働省が行った令和3年の調査によると、看護級は「無給」と答えた事業所は65.1%、「有給」は27.5%、「一部有給」は7.4%との結果が出ています。無給の職場が圧倒的に多いんですよね。

うちの妻の職場は看護休暇の取得は無給なんですよね。僕の知り合いの職場は、時間単位でも丸々1日でも5日分を越えなければ完全有給なところもあったりして、職場による差が大きいと感じます。

少子高齢化への対策として子育て支援を手厚くするなら、看護休暇の対象を小学生まで広げて全て有給扱いにして欲しいなぁと思います。

そして「親に責任はあっても子育ては社会全体が担うもの」という認識が広まって行くような社会のあり方を考えていくことが必要だと思います。

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