ご覧いただきありがとうございます、うこうこです。
私たちのおーくんは、生後1ヶ月半でダウン症と診断されました。
間も無くして、遺伝科に初受診し、ダウン症についての説明を受けました。その時、遺伝科の先生に、ダウン症に関するお勧めの書籍について聞きました。一番最初にお勧めされたものが”赤ちゃん体操“に関する書籍でした。
赤ちゃん体操は、ダウン症の子どもももつ保護者であればほとんどの方が耳にし、多くの方が実践している(したことがある)療育の方法だと思います。
多くの方がご存知だとは思いますので、参考になりそうなところだけでもご覧いただければともいます。
ダウン症児の赤ちゃん体操とは?
ダウン症児は、歩行を獲得するまでの乳幼児期の身体機能の発達が重要とされています。ダウン症児は、姿勢を正しく保つのが難しく、足が外転し扁平足になりやすいなどの特徴があります。そのため、正しい姿勢や身体の動かし方を赤ちゃんの頃から習得していくことが重要になります。
そこで、小児科医師である藤田弘子先生が、ダウン症児が適切な運動発達を獲得できるようにと考案されたのが”赤ちゃん体操”になります。40年以上の歴史があるダウン症児の早期療育方法です。
まず、ゆっくり運動発達ステップ評価表で、現在の発達の状態を評価します。その評価に基づき、次の発達段階を見据えた運動プログラムを実践していきます。もちろん、家庭でも反復的に実施していきます。各体操は家庭でもできるように工夫されています。
赤ちゃん体操のポイントは、少しでも発達を早めていくことを目標としているのではなく、バランスの良い発達を目指し、体幹強化と不適切な姿勢を防ぐことを重視しているところにあります。
この点について、こちらの記事にまとめましたので参考にしてみてください。
ダウン症の子の発達で大切にしたい1つの視点 〜身体編〜ご覧いただきありがとうございます、うこうこです。
このブログでは、ダウン症のおーくんの発達についてまとめています。幸いなことに、現...
赤ちゃん体操の参考書はこの1冊でOK!
おーくんがダウン症と診断され、読むべき書籍としてまず最初に紹介されたのが、こちらです。
藤田弘子(小児科医) メディカ出版 2000年10月
写真入りで見やすく、説明も分かりやすく書かれています。専門的知識がなくても読めるように配慮されていて、ダウン症児の保護者向けにとてもよくまとめられた書籍です。赤ちゃん体操についてはこの1冊あればOKです。
おーくんのリハビリ先では、ゆっくり運動発達ステップ評価表を用いて1ヶ月おきぐらいに評価してもらっています。
イラスト入りなので、親が見ても理解しやすいのが良いです。発達領域ごとに、現在のステップと次のステップが確認でき、発達の見通しが持てるようになっています。
下半分は、ステップに合わせて、現在取り組むと良い体操プログラムが一覧になっています。この表を見ながら、「今はこんな体操が良いよ」と具体的な体操を紹介してもらっています。書籍には、ステップごとに具体的な体操についても写真付きで載っているため、家庭でも確認しながら実施していくことがでできます。
運動発達だけじゃない?赤ちゃん体操が与える良い影響
赤ちゃん体操は生後間も無くから実施することができます。しかし、生後間もない時期というのは家族にとっては余裕がもてない時期でもあります。
ダウン症という現実を受け止めることでも精一杯で、悲しみや不安などの感情に揺り動かされる日々を過ごしている方も多いと思います。私たちもそうでした。どうしたら良いのか、どうしていったら良いのか、それが見えない日々というのは恐ろしく、そして、人から余裕を奪うものです。
そんな中、”この子のためにできる具体的な何か”があることは、ひとつの道しるべになります。その道しるべになり得るのが、赤ちゃん体操です。
赤ちゃん体操は、ダウン症の赤ちゃんの運動発達を促すことだけでなく、親にとっても良い影響があります。
家族がまだ不安感で一杯の乳幼児期に「赤ちゃん体操」を開始することは、単に運度発達効果があるだけでなく、スキンシップにより愛着形成を促進し、緩徐でも発達過程を実感できることで親の喜びや自信にもつながる。(中略)これらの流れは家族の心理支援にもつながる。
引用:「ダウン症児の赤ちゃん体操」と家族支援 小野正恵 脳と発達 2018
赤ちゃん体操を通して、子供との向き合い方や接し方が形として示されることで、親の心理的余裕が生まれるだけでなく、親と子の相互関係にも良い影響を及ぼすと指摘されています。
また、専門家の視点に立つと、赤ちゃん体操を親とともに取り組むこと自体が、ダウン症の子をもつ家族のスタートを支える心理的な支援にもなる、ということも指摘されています。
さらに、
個別に作成された運動プログラムを自宅で反復することで、我が子への観察力が増し、合併症の早期発見や早期治療にもつながる。
引用:同上
ダウン症の赤ちゃんにおいて、最大の懸念事項は合併症です。赤ちゃん体操を実施していく中で、親が異変や不調に気づきやすくなり、合併症の早期発見や早期治療につながりやすくなることが指摘されています。
運動発達以外の赤ちゃん体操のメリット
- 親子の愛着形成を促す
- 親の心理面を支え、家族全体の支援になる
- 子への観察力が向上し、合併症に気づきやすくなる
赤ちゃん体操指導員と指導員がいる施設
赤ちゃん体操ですが、日本ダウン症療育研究会 が、養成コースで研修を受けた人を”赤ちゃん体操指導員”として認定しています。受講条件のハードルが高い反面、指導員の質としてはある一定の水準は担保されているのではないかと思います。
また、この日本ダウン症療育研究会のHPでは、ダウン症児の赤ちゃん体操指導員がいる施設の一覧を見ることができます。残念ながら、おーくん居住の都道府県にはありませんでした。しかし、指導員ではなくても、赤ちゃん体操を取り入れてリハビリや療育を行っている施設は多いと思いますので支援者に聞いてみると良いと思います。おーくんがリハビリに通っている医療機関もそうですので^^
まとめ
ダウン症の赤ちゃんの運動発達を促していくためには赤ちゃん体操はとても役に立つ療育方法だと感じています。赤ちゃん体操は、現在の運動発達の評価と、段階合わせた具体的な体操のプログラムが体系立ててプログラム化されているところが良い点です。ただ具体的なだけではなく、専門的な知識がなくても理解しやすいように工夫されています。
今後も赤ちゃん体操の良さを十分に活かせるように、おーくんと一緒に体操の実践をしていきたいと思いますので、またよろしければ参考にしていただければと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。