ご覧いただきありがとうございます、うこうこです。
前回の記事では、ジャンプの習得が子供の発達において、そして、ダウン症児の発達においてもとても重要であると解説しました。
そして今回の記事では、
おーくんがジャンプを習得するにあたって、どんなポイントを意識しながら、どのように取り組んだのか?についてまとめてみたいと思います。
多くの子が普段やっている遊びの中から、大人が少し工夫するだけでできることがほとんどですので、よければ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
ジャンプ習得の条件となる2つのポイントとは?
ジャンプを習得するには、以下の2つポイントを両方満たす必要があります。
それは
①体全体の使い方の向上
②ジャンプ動作の習得
です。スポーツで例えると
①は基礎能力を鍛えること(筋力、体力、瞬発力等)
②はスキルを習得すること(バスケのシュートのフォームとか野球の投球フォームを覚える等)
という感じでしょうか。
この2つのポイントを意識した上で、日常生活の中で練習できる場面を見つけながら取り組んできました。
①体全体の使い方の向上
ジャンプは全身運動ですので、体の連動性に加えて、敏捷性、体幹の強さ、瞬発力などを鍛える必要があります。
子どもは大人と違って、「鍛えるぞ!」と意気込んでもやってくれません。
そのため、普段の遊びの中で、鍛える様子を組み込んで、楽しみながら取り組むことが必要です。
と言っても、そんなに大変ではありません。
大人がが少し意識するだけで、一般的な遊びの中でも工夫をすることができます。
おいかけっこでの工夫
追いかけっこしながら走るだけでも良い練習になりますが、簡単にできる工夫があります。
直線的な動きだけをするのではなく、止まる、かわす、方向を変えるといった動きに幅を持たせるだけでも違います。
静止と瞬間的な動き、それに方向性の変化を持たせることによって、体の制動性・瞬発力・敏捷性・連動性などを鍛えることができます。
例えば、大人が追いかける方であれば、子どもの横や前に回り込んで「うわ!きたー違う方向に逃げよう!」とさせてみたり、子どもが追いかける方であれば大人は単に逃げるのではなく、急に止まったり方向を変えてみたりと誘導することで子どももその動きに合わせて運動を変化させることができます。
追いかけっこの遊びではこの点を意識すると良いです。何も道具等は必要なく、ただ大人が意識するだけでできる工夫です。
ボールを投げる・蹴る
ボール遊びは、バランス力、体幹の力、体の連動性を鍛えるのに役立ちます。
その場でただ投げる、蹴るだけでも良いのですが、体全体を連動させながら投げる・蹴るができると良いです。
投げる動作だと、足の動きや体の調整をしながら投げる動作を行うようにします。
例えば、
- 的を倒すことを狙って投げる(体全体の調整、方向や向きの調整)
- ボール当てのように動く目標に向かって動きながら投げる(足を使った連動性の動き、体全体の調整)
- 上投げ・下投げ・両手投げ(肩から、オーバーヘッド、横からetc~)など、いろいろな投げ方で投げる(体全体の動きの幅の向上)
蹴る動作でも
- 止まっているボールを蹴る
- 助走をつけて蹴る
- 向かってくるボールを蹴る
などのバリエーションを持たせることで、全身の連動性・バランス力・瞬発力を鍛えることができます。
アスレチック系の遊具を使う
全身の連動性・体幹の力・バランス力を鍛えるのであれば、公園にあるアスレチック系の遊具を利用しない手はありません。
しかし、それらの遊具を子どもに任せてただ遊ぶだけではもったいないです。
筋緊張の弱いダウン症の子は、不安定は地面ではバランスを保てず、立っている姿勢を保つのが難しいです。なので、当然そのような地面で歩いたり登ったりが難しくなります。
下の動画のように、おーくんは立っていられないので、四つ這いでなんとか乗り越えようとします。しかし、それではせっかくの遊具による効果を最大限得られません。
そこで、
- 姿勢を横向きに変換して
- 両手を使ってしっかりロープを持ちながら
- 交互に1歩ずつ足を出していく
といったことをやり方を体を支えながら一緒に練習します。
「上手だよ〜」「すごい!」「できたね!」など上手くいったら褒めて強化していくことも大切です!
その練習の成果が動画の後半にありますが、不安定ながらも自分で立って移動することができています。
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まとめると、遊具を使いながら、体のバランスの取り方や体の使い方を教えてあげることが重要です。そして、それができる良い機会がアスレチック系の遊具といえます。
練習のようにお子さんに頑張って取り組んでもらう要素が入っているので、少しでも上手くできたら「褒める」が大切です。
②ジャンプ動作の練習
2つ目の練習ポイントは、ジャンプの動作自体を練習することです。ジャンプの動きの”型”を身につけることが目的です。
膝を曲げてかがんで、そこから勢いをつけて膝を伸ばしながら足裏で地面を押し出す、という動きを連動してかつ瞬間的に行う必要があります。
その動きを遊びの中で練習していきます。
カエルジャンプ
おーくんはカエルが大好きなんですが、そのカエルのジャンプをマネしてやってみます。
コツは「お膝を曲げて〜」「ジャンプするよ〜」「せ〜の!ジャンプ」と膝を曲げる動作からジャンプまで、ゆっくりと動作を確認しながらやることです。
最初はジャンプできなくても、膝が伸びて立つだけでもOKです!
スーパージャンプ遊び
大人が子どもの体を両手で支えて、(膝を曲げながら)「溜めて〜」「ジャンプ!」と大人が子どもを持ち上げます。
ほとんどの親御さんが一度はお子さんにやったことがある遊びだと思います。
地面を足で押し出して飛び上がる動きや感覚を覚えてもらいます。
天井とか高い所をタッチできたりすると子どもは喜んで「もう1回」と楽しくできると思います。
クッションジャンプ
動きに慣れてきたらトランポリンクッションを利用してクッションの上でジャンプの練習をしてみるのも良いです。
自分でジャンプができなくても、スーパージャンプ遊びのように大人が支えてやってみたり、手すりや段差につかまって練習することもできます。
主に手すり付きミニトランポリンを利用した”手すりにつかまってジャンプの練習をするやり方”については、ウィンダーズ先生の本に詳しく書いてありますのでそちらを参考にしてみてください(安全性という意味でも専門書を理解して実施した方が良いです)。
ジャンプの練習で“トランポリン”がオススメと耳にすることがあるかもしれませんが、基本的にNGです!
子ども全体に対して、2012年にアメリカの小児科学会はトランポリンを家庭で使用することを推奨しないと声明を出しています。子どもが使用することの危険性を考慮して、トランポリンは専門家とのトレーニングの一部としてのみ使用を推奨するとしています。
ダウン症児に対しても、ウィンダーズ先生の本では、「自由に使わせるのは危険、ダウン症の子は頚椎の不安定さがあるためより危険」と書かれています。
トランポリンは基本的にNGなのですが、手すり付きのミニトランポリンはダウン症児のジャンプ練習には役に立つのは事実です。それでも子ども一人での使用は危険なため、必ず保護者が一緒に安全を確保しながら使用してください。
おーくんは膝の屈伸動作は身に付いたのですが、”瞬発的に力を入れて跳ねる”ことが掴みづらかったようで、トランポリンやクッションなどを使用すればジャンプの習得はもう少しスムーズだったかもしれないと思っています。
しかし、うちはアパートなので、住居に置くスペースがなく、振動や音が心配で購入する余裕もなく、近場にミニトランポリンが利用できるような施設もなかったので使用できませんでした。
今になって振り返ると、ジャンプの習得に時間がかかった要因はそこだったなぁと感じています。
まとめ
以上がおーくんがジャンプを習得するまでに取り組んだことです。
意外かもしれませんが、目新しいことは特になく普段の遊びの中でできることがほとんどだと思います。
ジャンプの習得のポイントを知っていてちょっとした工夫ができるかどうか
だけでできます。お得です!笑
歩き始めることができれば、少しずつ練習していけると思いますので、少しでも参考になれば幸いです。
ちなみに、おーくんは今や、高いところからでも臆せず飛ぼうとします。いや、飛んでます!↓
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できることが増えるのは良いですが、同時にヤンチャぶりも高まり、ますます目が離せなくなりました><
気をつけねば!