ご覧いただきありがとうございます、うこうこです。
僕は仕事柄、障がいのある子やその家族はもちろんのこと、その支援者の方とも話をする機会が多々あります。
例えば、園や学校の先生、行政や福祉の相談担当の方、福祉の施設や事業所の職員の方等で、僕の心理面接に同席していただき一緒に支援の方向を考えることが多いです。
そのように色々な支援者(自分を含め)と関わる中で、支援者としてリスペクトできる素晴らしい方に出会うことがあるのですが、そういった方には共通したある特徴があると感じています。
それは、子どものリソースと変化に気づけるという特徴です。
“リソースと変化に気づける”とは?
リソースとは日本語では『資源』や『資産』といいます。
さらにわかりやすくいうと『その子の持っている良さ、強み、らしさ』です。
障がいのある子の支援者として日々関わっていると、色々な課題や問題が起こってきます。そういった問題には支援者は意識とエネルギーを向けざるをえなくなります。そうすると、
- 「この子の問題にそう対応したらいいんだろうか」
- 「この問題はいつまで続くんだろうか、将来はどうなるんだろう」
- 「この子は大変だ」
といった感じで、問題に支援者も巻き込まれていくわけです。
そのような中では、その子のリソースや日々の小さい変化に意識を向けることは相対的に少なくなってしまいます。
しかし、リソースや変化は意識しないと見つけられません。
そのため、良い支援者は、問題に巻き込まれやすい立場であることを多かれ少なかれ自覚しており、リソースや変化を意識して見つけようとする姿勢を大切にしている人が多いです。
そういった姿勢は、反応、態度、言動、行動の全てに影響を与えるので、子どもにも伝わります。当然、保護者にもです。
大人でもそうですが、自分が周りの人から「問題を起こすヤツだから気をつけろ」と思われているのか、「問題は起こすが、良いところもあるヤツだからそこを大事にしよう」と思われてるのか、なんとなく感じるでしょうし、どう思われているかで自分の態度や言動や行動も変わりますよね。
人間関係は相互作用の中で成り立ちます。支援の現場では支援者がリードする場面が多くなるので、支援者がどういう姿勢で関わろうとするのかが相互作用のあり方を決めます。問題は嫌でも見ないといけません。ただそこで、問題だけを見るのか、リソースや変化も見ようとするのか、が良い支援者かどうかを分ける境界線になるのだと思います。
良い支援者いると何が違うのか?
良い支援者の条件をまとめると以下のようになります。
- 問題がもつ引きつける力と、焦点を矮小化する魔力の危険性を知っている。
- リソースや変化は意識しないと見つけられないことを知っている。
- リソースや変化を見落とさないように常に意識して見つけようとする。
- 見つけたリソースや変化を、子どもとの相互作用の中で、引き出し、拡張しようとする。
このような条件を満たす良い支援者がいると、以下のようなことが生じてきます。
- 子どもの生活全体が落ち着きます
- 子どもの表情や言動が生き生きとしています
- 子どもや保護者との関係が安定します
- 子どもが他者に対して肯定的な関わりが増えます
- 子どもが自己理解することを支えます
①〜③はなんとなくイメージできると思います。
④ですが、肯定的な関わりは連鎖するので、子どもが肯定的な関わりをすることが増えます。良い支援者はそういった変化を見逃さないので、ちゃんと拾い上げて強化をします。そうすると、よりそういった行動が増えていきます。
⑤について、障がいのある子の大きな発達課題は『自分のことを理解する=自己理解する』がありますが、自分の苦手なところといったマイナス面は「それしかない」と思っていたら向き合いたくないし受け止められません。自分の肯定的な面も感じられているからこそ、向き合っていく余裕が生まれます。子どものリソースや変化に気づいて相互作用の中で引き出していってあげることは、その子の生き方を大きく支えることにもなるのです。
リソースや変化を見つけ拡張することは、生活支援、人間関係支援、成長支援といった幅広い支援になります。
まとめ 〜この記事を読んでどう感じましたか?〜
この記事を読んで、
- 「この姿勢は大切だよね」
- 「やってみよう」
と思えた人は、絶対にできます!
これまでの中で、少なからず良い支援者の条件を感じられていたはずです。
逆に
- 「といわれてもね〜」
- 「大変な中で難しい」
- 「良いところないんです」
と思った方は、問題の魔力に支配されているか、問題探しは上手だけど普段から意識しないとリソースや変化に気けないタイプの方かもしれません。
なので、まずはその子のリソースを3つ書き出して見てください。
見つけようとしないとそもそも見えてきませんので、見つけようとしてみて欲しいのです。
もし難しければ、その子のリソースではなく、その子を取り巻くリソースでも良いです。例えば、『お母さんは理解がって優しく関わってくれる』『安心できる場所として放課後デイは楽しく通えている』とかその子を支える人や環境もリソースとしてカウントして見てください。
そして、支える人や環境のスタッフに、『その子の良いところ、その子らしいところ、こういうところは良いよねって思うところ』を聞いてみてください。
そしてできれば、定期的に問題から離れてその子のリソースや変化を振り返って整理する時間をもつことをおすすめしたいと思います。
どんな子でもリソースは必ずあります!
どんな子でも変化はあります!