うこうこまーく!
ダウン症おーくんの子育てブログ
ダウン症関連

21番染色体とは何なのか?【産まれてくることは奇跡】

ご覧いただきありがとうございます、うこうこです。

『ダウン症は21番目の染色体が3本ある』

ことは一般的にも知っている方が多いと思います。

しかし、21番目の染色体とは何なのか?についてはあまり知られていません。

私自身もよく分かっていませんでした。おーくんがダウン症との診断を受けて色々調べました。そこでの発見と気づきについてまとめてみましたが、21番染色体を知ることは、ダウン症を本質より理解することだと思います。

染色体とは?

私たちの体は数多くの細胞からできています。それぞれの細胞の中には核があり、その核の中に棒状の染色体が存在しています。染色体は、遺伝情報をもっているDNAがヒストンというタンパク質に巻きついて構成されています。

染色体の数は生物の種類ごとに異なっていて、人間は46本の染色体をもっています。染色体は親から子へと引き継がれます。父親から23本、母親から23本と半分ずつ引き継がれます。染色体には、1から22までの番号がついています。父親から引き継いだ1番目の染色体と母親から引き継いだ1番目の染色体が下の写真のようにペアになります。1番目から22番目はペアになりますが、残りのひとつは性染色体(XとYで示す)と言い、性別を決定する染色体です。

この写真はダウン症おーくんの染色体検査結果なので21番目が3つあります。

21番染色体について

人間の染色体は22番までありますが、染色体が大きいものから1番、2番…と番号がつけられています。とすると、21番染色体は全体で2番目に小さいのか、となりますがそれは違います。

染色体は大きい順から順番をつけるのが慣わしであったのだが22番染色体より前に21番染色体が発見されたため、21番染色体と22番染色体は大きさと番号が逆転してしまっている。

Wikipedia  21番染色体(ヒト)より一部改変し引用

「21番染色体が一番小さいけれども、22番より先に見つけて21番ってつけちゃったから、後から変えたら混乱するし、変えなくていいよね!?」ということのようです。

ダウン症に関連する21番染色体は、染色体の中で一番小さい末っ子ちゃんってことですね。

遺伝子の解析は既に完了!21番染色体を解析したのは?

人間のDNAの種類とその並び順を解析するための世界的なプロジェクトがありました。”国際ヒトゲノム計画”と呼び、1991年にスタートし、2003年に完了されています。

日本が解読を担当したのが、11番染色体と21番染色体でした。

ん!?21番染色体!!

ダウン症に関連する21番染色体は、日本の2グループ(理化学研究所と慶応大学)とドイツが解読を担当したのです!

この国際ヒトゲノム計画により、人間の遺伝子の数やその並び(配列)は解読されました。しかし、それらの遺伝子がどのような働きをして、どのような影響を与えているのかはまだ分かっていないことも多いのです。

21番染色体について分かっていること

1番染色体は約3000個、大きさの近い20番染色体と22番染色体が約700個の遺伝子があります。そして、21番染色体は330個といわれています。染色体の中で一番小さい21番染色体は、染色体に乗っている遺伝子も少ないのです。

しかし、少ない遺伝子の中でも、様々な症状と関連する遺伝子が見つかっています。

  • アルツハイマー病
  • 白血病
  • 自己免疫疾患
  • 難聴

特定の免疫疾患や難聴は、遺伝子が変異することで発症することが分かっています。

ダウン症の赤ちゃんが生まれてくることの奇跡

生命倫理学を専門とされ、大阪ダウン症児親の連絡会顧問でダウン症ハンドブックの分担執筆でもある、近畿大学の巽純子(たつみ じゅんこ)先生HP(いでんいんふぉめーしょん)には、21番染色体のことやダウン症との関連について詳しく説明されています。

おーくんがダウン症と分かってから色々と調べて行く中で、先生のHPを見つけて何度も読み返しました。ダウン症に対する認識を肯定的なものに捉え直させてくれた情報があったからです。

21トリソミーとは何なのか?

「ダウン症は障害である」という認識をされている方も多く、「染色体異常」と聞くと“通常と異なった異質のもの”という印象を受けるかもしれません。自分もそのような認識があったため、ダウン症のことを考えては気持ちがモヤモヤしていました。その時、巽先生のHPを読み、気持ちがさっと晴れたような気がしたのです。

ダウン症の症状の原因は、21番染色体に存在する遺伝子の変異によるものではなく、21番染色体に存在する遺伝子が普通の人と比べて1.5倍の量あるということをまずわかってください。ダウン症は他の遺伝性疾患や遺伝子突然変異による疾患のような遺伝子の変化が疾患の原因ではないのです。21番に乗っている遺伝子そのものは、異常ではないのです。数だけの問題です。つまり、21番染色体自身が3本(普通の人は2本)あるため、同じタンパクをつくり出す遺伝子が父方と母方の2個(父母各染色体にそれどれ1個づつある)あればいいところが、3個 あって、余分に(1.5倍量の)タンパクを作ってしまうことがダウン症特有の症状の原因です。

いでんいんふぉめーしょん より引用

「ダウン症は異質なものではない」「タンパクがなんか多く増えちゃっただけ」と分かったら、「ちょっとお茶目な感じなのね」と納得でき、気持ちの重荷が取れたような気がしたのです。

“ダウン症の21トリソミーは「異常」ではないのです。数だけの問題です。”

この言葉を多くの方に知ってもらいたいです。

生まれてくることは奇跡でもある

もう一つ、”ダウン症”への認識を変えた文章を紹介させていただきます。

21番染色体は最も小さい常染色体のため、それに乗っている遺伝情報も少ないので、遺伝情報のアンバランスを引き起こすことも少なく、そのためうまく生まれて来る頻度が高いのです。他の染色体のトリソミーは、受精卵が着床しなかったり、胎児がうまく育たなかったりで、なかなか生まれてくるまでには至りません。ですから、流産胎児を調べてみると高頻度に染色体の変異が見つかります。21トリソミーでも、70~80%の胎児は生まれて来れません。したがって、ダウン症として生まれてきた赤ちゃんは、他の遺伝子がよい状態で働いて、ものすごく生命力が強かったか、お母さんの身体の状態が良かった恵まれた赤ちゃんだったのだと思います。

いでんいんふぉめーしょん より引用

巽先生が指摘されている21トリソミーでも、70~80%の胎児は生まれて来れない」について実際に計算してみました。用いた情報は以下の通りです。

分かりやすくおおよその数で(自然流産の割合を約15%として)計算すると、1200人の受精卵があったとします。そのうち200人が自然流産してしまい、その中で21トリソミーの胎児が5人いることになります。無事に生まれてくる1000人の子のうち、ダウン症は1人ということになります。

つまり、21トリソミーの胎児は、6人に1人しか生まれてきません無事に産まれてくるこの割合は約17%であり、約83%の子は産まれて来れない事になります。ほぼ、巽先生の記載と一致します。

このように計算してみても、ダウン症の子が無事生まれてくることは奇跡に近いんじゃないかと思える割合です。

まとめ

21番染色体についてまとめてみましたが、読んでくださった方はどう考え何を感じたでしょうか?こ

私はこれらの事実を知り、「妊娠から出産、産まれてからも色々あったけど、元気でいるだけで奇跡なんだ」と前向きに考えることができました。

21番染色体を知ることで、ダウン症に対する認識が変わった。

そのための事実と、うこうこが感じたことをまとめてみました。当然、違った考えや感想を抱かれた方もいるかもしれません。色んな考えや気持ちがあると思いますので、そのへんを色んな人と話ができたら良いなぁ、とも思っています。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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