ご覧いただきありがとうございます、うこうこです。
4月2日は世界自閉症啓発デーということで、自閉症について少しでも理解を深められたらと思います。
自閉症についてはネットで調べればたくさん出てきますが、診断基準の改定の前後で大きく変わっているので混乱する人もいるかもしれません。
特に、自閉症とか自閉スペクトラム症とかアスペルガー症候群とか、自閉症に関する診断名には色々な種類があり、ややこしい面があります。
そこで、今回は、よく聞く診断名の何が違うのかを整理することで、自閉症に関して少しでも理解を深められたらと思います。
“自閉症”と”自閉スペクトラム症”の違いって?
色々な診断名の中で、ひとつポイントを挙げるとすると、
「自閉症と自閉スペクトラム症って何が違うの?」
になります。
この点を理解するには、過去と現在の診断基準の違いを見ていく必要があります。
2013年に診断基準の大幅な改定がありました。その改定前までは、自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害といった、様々な診断名がありました。
それぞれの障害についての特徴については下記の図にまとめました。
これらの障害に共通していたのは、
- 社会性やコミュニケーションの困難さがある
- 興味の偏りやこだわりの強さがある
の2つの症状でした。
そこで、2013年の診断基準の改定では、その2つの症状を診断基準として、自閉症とかアスペルガー症候群とかを全てまとめて、“自閉スペクトラム症(ASD)”という診断名に集約されました。
専門職の間での共通理解のために、「アスペルガー型のASD」と説明したりすることはありますが、一般的には自閉スペクトラム症と呼ばれたり記載されるようになってきています。
自閉スペクトラム症は発達障害のひとつである
自閉スペクトラム症についてもう1点、ポイントを抑えるとしたら、自閉スペクトラム症は発達障害の一つである、ということです。
発達障害の中で代表的なものは、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如多動症(ADHD)、学習障害(LD)の3つが挙げられます。
上記の図にあるように、これらの障害が重複することがあります。
過去の診断基準では、ASDとADHDは診断の重複は認められていませんでしたが、最新の診断基準では、診断の重複が認められています。そして、この3つの発達障害の合併は割と多いと言われています。
それぞれの発達障害については、過去にまとめた記事がありますので、そちらも参考にしてみてください。
まとめ
発達障害のひとつに自閉スペクトラム症があり、過去には症状に応じて様々な診断名で呼ばれていましたが、現在は統一されて自閉スペクトラム症となっています。
発達障害の合併は割と多いのではないかと言われていますが、近年、ダウン症かつ自閉スペクトラム症の特徴ももつ人が一定数いることや、いくつかの障害の中には自閉スペクトラム症の症状が多く見られるのことが指摘されるようになってきています。
ダウン症においても、自閉スペクトラム症だけの子と、ダウン症で自閉スペクトラム症の子では、状態像が異なる可能性も指摘されていることもあり、今後、その領域の研究が進むことを期待しています。
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