ご覧いただきありがとうございます、うこうこです。
ダウン症の子どもにとって、歩けるようになることが大きな発達の課題です。
加えて、歩けるようになった後も運動の発達段階を意識して練習していく必要があります。
今回は、歩けるようになった後の運動発達について整理したうえで、具体的な練習方法についてまとめていきたいと思います。
※今回の記事の内容はより詳しく動画にしてありますので、そちらも参考にしてみてください↓おーくんが取り組んだ様子は動画の方が分かりやすいと思います。
歩行獲得後の運動発達をおさえておこう!
最初に、歩けるようになった後の運動発達の流れについて整理してみます。その流れをおさえておくことで、今は何を意識して練習をしたらよいか?が分かります。
その流れをまとめたのがコチラです↓
上から下にいくにつれて難易度が上がっていきます。
まず最初は、上から3つの赤文字で示された課題に取り組んでいきます。
そして、ダウン症の子は発達がゆっくりな子が多いため、それぞれの課題ができるようになるおよその目安がコチラです。
健常の子の発達のペースより2倍ぐらいの時間がかかるようです。じっくりひとつひとつ取り組んでいくことが大切です。
また、発達には個人差があるため、必ずその年齢で獲得していないとダメというわけではありません。あくまで目安として参照してください。
より詳しく知りたい方は、ウインダーズ先生の本がお勧めです。
最初に取り組みたい3つの課題について
歩けるようになったら最初に取り組みたい3つの課題についてまとめてみます。
最初の3つの課題は、関わる大人が意識しておけば、「こっちにも行ってみよう」と誘って歩いたり、遊びの中で自然と歩く練習になる状況を作ったりすることができます。
つまり、効率的に練習することができるようになります。
課題① 不整地(凸凹)を歩く
まず最初は、不整地を歩くです。
不整地とは、柔らかいマット、芝生、砂場、砂利道、ウッドチップの道、林道などです。
これらの不整地を歩くことによって、地面に注意を払いながら歩くことができるようになります。
そうなると、地面の変化や障害物に気づけるようになり、より安全に歩くことができるようになります。
課題② 障害物を避ける・乗り越える
地面や足元に注意を払いながら歩けるようになったら、障害物を避ける・乗り越える練習をしていきます。
障害物とは、石、木、段差など、最初は小さいものから練習します。タオルや縄跳びなどを意図的に使って練習する方法もあります。
そして、障害物の前に立ち止まったら、子どもは判断をする必要が出てきます。
- 避けた方が良いのか?
- 乗り越えた方が良いのか?
- 足を乗せて進んでも良いのか?
といった判断をします。
子どもは、最初はどのようにしたら良いかが分からないため、大人が指示をしてあげたり、お手本を見せてあげます。
そのような経験をたくさんしていくことで、様々な状況に柔軟に対応していく力をつけていくことができます。
課題③ 坂を上る・下りる
地面に注意を払って歩けるようになったら、坂を上る・坂を下りることも練習していきます。
最初はバランスの取り方がわからないので、子どもはとても不安です。一歩一歩ゆっくり歩ければ良いのですが、立ち止まってしまったり、転んでしまったりするかもしれません。
そのような時は、坂の傾斜が緩やかなところに場所を変えるか、両手を支えてあげて一緒に歩いて見ます。そこから、片手での補助、そして、人差し指の補助といったように、少しずつ段階的に自分で歩けるように取り組んでいきます。
あまり無理をして恐怖体験となってしまうと、次にチャレンジしにくくなってしまうため、子どもが安心できる状況で、「できた!」と実感できるように、成功体験を積み重ねられるようにしていきます。
また、坂をくだるときはスピードのコントロールが難しいため、転倒しやすくなります。慣れるまでは、大人が補助してあげながら安全に練習していきます。
練習するときはこの2つのコツを意識しよう!
最後に、練習するときに大人が意識しておきたいとポイントが2つあります。
①楽しく遊びながら練習する
「よし、歩こう!」と歩くことを目的とするよりも、楽しく遊ぶ中で自然と歩く練習になっているのが理想です。
例えば、
石のみ拾いの遊びを楽しむ
→砂場や林道の不整地を歩く・地面に注意を払いながら歩く練習になる
という感じです。
おーくんの場合は、好きな玩具を地面に置いて集めに行く遊びや、水溜りを歩く遊びをしていました。
子どもの興味・関心をうまく活用することで、意欲を引き出しながら練習することができます。
②合図を工夫する
不整地の凸凹や障害物など、最初は子どもだけでは気づけないことが多いです。気づいた後もどのように対処したら良いのか、最初は分かりません。
そこで、大人が合図を用いて教えていくことになります。
その際、ことばで伝えるという聴覚による情報だけではなく、視覚や触覚もうまく活用していきます。
例えば、
「石があるよ」と言い、ことばで伝えます。聴覚
そして、その石を目で見て注目できるように指差しします。視覚
そこで、子どもがどうしたら良いか不安な場合は、足で一緒に踏んでみたり、手で触ってみたりします。触覚
そのようにして、多様な感覚を合図として活用することで、子どもにとっては安心かつ安全に経験を積み重ねることができます。
また、大人が見本を見せることも役立ちます。最初は大人が歩いてみせる。不安げな様子の時は、大人が楽しそうに歩いてみせる。手を繋いで大人が少しリードしながら歩いてみせる。など、お手本を示すことによって、子どもは安心して取り組みやすくなります。
まとめ
ダウン症の子どもが歩けるようになった後に最初に取り組むことについてまとめてきました。
ポイントを簡潔にまとめてみましたが、文章だけだとイメージしにくかったかもしれません。今回の内容のような、やり方を解説するのは動画のような映像の方が分かりやすいと思います。
そのため、よければ動画版も参考にしていただけたら嬉しいです。おーくんが実際に練習した様子や、遊びの中で行った工夫については動画内で詳しく解説していますので、よければそちらもご覧ください。