ご覧いただきありがとうございます、うこうこです。
このブログではダウン症の子の発達を伸ばすために役立つことを発信してきました。
その中で、何度も、しつこいぐらいに登場しているのがこの本!
通称ウィンダーズ本!
おーくんの運動面の発達も「この本があってこそ!」と言っても過言ではありません。
むしろ「この本だけで良いです!」というレベルでおすすめな本です。
そんな“神本”の第2弾が先日出版されました!
その名も
『マリアンヌ先生のダウン症のある子どもたちの手の器用さを育てるガイド』です!
第1弾のウィンダーズ本は運動の発達についてでしたが、今回の本は、目と手(それらを司る感覚の含めて)の発達の観点からまとめられた本になっています。
ウィンダーズ本は理学療法(PT)領域で、今回のマリアンヌ本は作業療法(OT)領域ですね。
マリアンヌ本をオススメする理由
今回出たマリアンヌ本のように、ダウン症の手の器用さを伸ばすための本は数少なく、とても貴重です。
しかし、この本の良さはそれだけではありません。
「家」モデルがわかりやすい
手の器用さに関連する力はいくつかありますが、その力を、”土台になる力”、”その上に積み重なる力”、”さらにその上に積み重なる力”に分けて、「家」モデルとして整理されています。
4歳のおーくんであれば
いろいろな観点からの基礎スキルから、生活における応用のスキルまで、今何ができるようになると良いのか?が分かりやすくまとめられています。
このように、発達段階ごとにどんな力を見つけられると良いかが示されています。
発達の基礎に忠実である
発達支援を専門とする心理師(士)である僕から見て、
発達の理論に忠実かつ正確に、支援の仕方が書かれている
と自信を持って推せる内容です。
例えば、以下のような点が挙げられます。
- ”つまむ”ひとつとってもいくつかの発達段階がありますが、そこが丁寧に解説されていて、具体的な遊びの内容も書かれている。
- 「線を書く」でも縦と横の線の書き方の発達における違いや、書き方のバリエーションの増やし方について書かれている。
- 模倣(マネ)をする、概念を理解する、といった目と手の操作の向上に関連する重要な発達の要素についても解説されている。
ここまで発達の基礎理論に沿って書かれている本はなかなかありません。
子どもの発達には、『順序』や『方向性』があり、いくつかの条件が揃わないと習得できない『複合的な要素』があります。
だからこそ、基本をしっかり抑えることが大切ですので、その点ではとても有用な内容になっていると思います。
何より具体的!そして実践的!専門家でなくても使える!
親(もしくは支援者)の立場として、一番知りたいのは、
- 子どもが今どのくらいの段階にいて、次のステップには何を意識して取り組んだら良いのか?
- その取り組みとして具合的な玩具や遊びは何なのか?
ということだと思います。
この本は、どのような発達段階であってもその疑問に答えを提示してくれます!
それは、以下の点が徹底されているからです。
- 取り組み方や遊び方が写真付きで具体的に示されている
- 取り組み方や遊び方が多様に示されている
- 専門家でなくても一般の方でも活用できる
以下は、ある発達段階における課題達成に役立つ玩具リストですが、具体的かつ多様に示されいます。
ここが、ウィンダーズ本と同様に、このシリーズをオススメする最大の理由です。
本を買って読んで「納得!」だけで終わらせない、『読んだら今すぐにでも、家でもできる!』という本になっています。
「ここが惜しい!」点も解説
内容の町域が異なるので一概に比較できるものではありませんが、ウィンダーズ本と比べると「ちょっといまいち」という点もあります。
ウィンダーズ本は1冊全体が発達の流れに沿っていたのですが、マリアンヌ本は発達の要素(手先の力、感覚、日常生活スキルなど)ごとに分かれていて、それぞれに項目ごとに発達段階に沿って解説されています。そのため、各項目ごとに「うちの子は今これぐらいかな」と探す必要が出てくるので、その分調べる手間がかかってしまいます。
また、マリアンヌ本も写真での解説は多いのですが、ウィンダーズ本と比べると文章の方がが多い印象です。マリアンヌ本の方が読むのが「ちょっと大変かな」と感じました。
まとめ 〜『神本』2冊目といえる内容!〜
マリアンヌ本のオススメの理由と、イマイチな点についてもまとめてみました。
全部ひっくるめて、
ダウン症の子(赤ちゃんから)の発達を支えて、
一生使える力を身につけるために、
「神本」2冊目といえる本です!
値段は高いですがそれに見合う価値以上のものがあると思います!
この2冊は本当にオススメです。よければ手に取ってみてください!